仕事納めに考えたこと

堺市北区新金岡 永山歯科医院 院長の永山です。

あっという間に1年が過ぎていきました。

歳を重ねるごとに、そのスピードが速くなっていくのを実感しています。。。

実感と言えば、診療における「師走」の実感にも変化がありました。

日々感じていることにもつながると思うので、今回は前回の投稿で予告した「メンテナンスの効果」も交えてお話させて頂きます。

※ 過去の投稿 「師走」(2014年12月14日)、「定期検診」(2014年10月23日) ご参考まで

 
まずは「師走の実感の変化」ですが、例年なら「痛い」「腫れた」「取れた」と訴えられて来院される患者さんが多くてバタバタしていた記憶しかないのですが、今年は意外と落ち着いていて、来られた場合でも余裕を持って対応することができました。

仕事納めが済んでホッと一息ついた時間にふと考えてみたところ、これには大きくわけて2つの要因があると思いました。

まずひとつ目は、「スタッフの能力アップ」です。

応急処置を始めるまでに必要な、お困りごとの聴きとり(問診)やいろんな検査(診査)などを的確に済ませてくれるおかげで、予約の患者さんにしわ寄せがいき過ぎることなく、すぐに診断して説明して治療に取りかかれるようになりました。

また、通院されている患者さんにおいても、歯のことで困らず無事に年を越して頂けるように、計画的に治療を進めることができていることも大きいんだろう、と思います。

まだまだ改善の余地はありますが、チームプレーのとっかかりをつかめたことを実感できただけでも、これからにつながる良い兆しだなと思いました!

そしてふたつ目は、「患者さんの意識の変化」です。

治療が一通り終わった後にも定期的にメンテナンスに来院される患者さんが増えてきたため、地域の人たちの中で、おそらく「痛い」「腫れた」については起こりにくい (「取れた」については消耗品なので仕方がないです) 状況に持ち込めている方の割合が大きくなってきたのではないか?と考えるに至りました。

今までは勤務医だったり開院してまもない間で、それほど多くの新しい患者さんを診察する機会がなかったのでわかりませんでしたが、大学時代からひとりの患者さんを長期に渡ってメンテナンスをしてきて実感していた効果 (10年を越えてくると、うまくいく場合もいかない場合も含めていろんな気づきがあります) を、より大きな単位 (一開業医として) でも実感することができて、今後の当院におけるメンテナンス(予防歯科)への取り組みの大きな指針を得たように思いました。

お正月休みに、じっくり現場への落とし込みについて考えてみようと思います (^_^ゞ

 

でも、これだけでは「メンテナンスの効果」や「患者さんの意識の変化」についてはピンとこないと思いますので、ここからは当院で実際にあった事例を基に、いくつか具体的にお話してみます。

 

① それなりに持たせていく

あちこち悪いところはあるんだけど、踏み込むと大がかりになるので、あるいは患者さんが抜きたくないので、メンテナンスをしながらそれなりに持たせていく形での診察(予防?治療?)を継続している方々がおられます。

いずれ介入が必要になることはお互いにわかってはいるのですが、のらりくらりと数年は困らずに来ていたりもしています。

今までの僕なら大学病院やビジネス街の医院に勤務していたこともあり、即断即決、治療すべきところはすぐ介入することが基本でしたが、郊外の住宅街で、しかも高齢の方も多くおられる地域性を考えると、これはこれでひとつのやり方だな、と思うようになりました。

というのも、大体そういう患者さんはもともと定期的にメンテナンスに通う習慣がないため歯周病の状態もよろしくないことが多いのですが、少なくとも通って頂いているうちにある程度はこちらが病状を管理できるようになるので、次に介入するときにはそれなりにきれいなお口の中の状況からスタートできて、より早くて質の高い治療が提供できることに気がついたからです。

さらに、その間に先生や衛生士との信頼関係も築くことができて、またご自身にあった歯磨きのやり方を身につけて頂くこともできているので、時期が来たときの治療への移行が、患者さんの心理的にも受け入れやすくなることもわかりました。

特に高齢の方にとっては、口の中を清潔な状態に保っておくことは、脳血管疾患を抜いて死因の第3位になっている「(誤嚥性)肺炎」の予防にも役立つので、元気で長生きするためにメンテナンスは欠かせないのではないかな、と思うようになりました。

ちなみに、死因の第1位は悪性新生物(がん)、第2位は心疾患で、最近は第3位が脳血管疾患に戻って、第4位が老衰で、第5位が肺炎みたいです。(ネット情報ですが…)

以前に比べて肺炎の順位が下がっているのは、「口腔ケア」の大切さが医療の現場でも市民の皆さんの間でも広まってきて、その効果が出てきているのかな?、と我田引水的に考えてしまいました。

本当のところはわかりませんが、超高齢化社会を迎える今後に向けて、歯科医が現場できる貢献の仕方を引き続き模索していこうと思いました!

 

② いざというときに役に立つ

今年は台風に大雨、さらには地震まで起こる始末で、災害に見舞われ続けた一年間だった、と言うこともできるのではないかと思います。

その中で、「備えあれば憂いなし」と感じるところも多かったのではないでしょうか?

これは健康と病気の関係にもあてはまることなんですが、そのわかりやすい例を経験したので、ご紹介させて頂きます。

ご高齢のご夫婦でしたが、ぼちぼち通われてそれなりに治療をさせて頂いて、揃ってメンテナンスに来るようになられておられました。(①の状況に持ち込むことに成功した)

そんなある日、ご主人さんが病気になられて、しばらくお二人とも来られなくなりました。

一年弱の闘病生活を乗り越えられて無事に帰って来られましたが、歯磨きを “それなりに” されていたおかげで、大規模な治療は必要ない状態で戻ってくることができました。

そして、しっかり咬んで食べることができたので、今では元通りのお元気な状態まで回復されています。

悲しいことですが、これとは全く反対のケースも経験しているので、まさに「備えあれば憂いなし」だな、と思うようになりました。

今後はこのように健康寿命が長くて、言葉は悪いですが、「ピンピンコロリ」になる患者さんが増えていくように、「メンテナンスの効果」をお伝えして、「患者さんの意識の変化」を起こす取り組みを続けていこうと思いました!

(お子さんやお父さん、お母さんバージョンも頭の中にはあるので、お正月休みの宿題にしたいと思います)

 

③ 咬めると元気になり、意識も上がる

これは今までの①、②とは逆説的ですが、大規模な治療を乗り越えられた患者さんは、まじめに通われるようになる気がしています。

これは咬めなくて辛い経験が身に染みているために、そして咬めるようになって状態が良くなることを実感するために、とりあえず診てもらっておいた方が安心、もう大変な治療は勘弁して、という心理作用が働いているものと考えています。

そういう意味では、まだ歯がなくなっていない、困っていない患者さんに、如何に予防が大事なことかをわかってもらうことが大事になってくると思うので、その辺りも意識してメンテナンスに来られる患者さんには繰り返しお伝えして、正しい知識を身につけていってもらわないといけないな、と思いました。

 

以上、話が長くなりましたが、メンテナンスについての理解を深めて頂けましたでしょうか?

これは歯科だけの話ではなくて、基本的には全身の健康と病気にもあてはまる考え方なので、普段は忙しくてなかなかゆっくりと自分の健康について考える時間がない人ほど、お正月休みの間に一度お考えになられてみられてはどうかな、と思いました。

では、皆さん、よいお年を!

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